バイオリン奏法における音色と無意識の問題(3)腕の一体化
スズキメソードの教本では「狐の顔」のように指先で弓をつまむように指導している。これは特定の人には有効かもしれないが、私にとっては無意味であった。私の体に合った弓の持ち方は、次の通りのようである。
(1)弓に対して手を斜めにあてがう
(2)弓を立てて前で横に振って力を抜くトレーニングでは、手を斜め下に向けてもつ(手首が上側、指先が下側)
(3)弓を横にして前で縦に振って力を抜くトレーニングでは、手を右斜めに傾けてもつ(手首が右側、指先が左側にくる)
(4)上の(1)~(3)を原型としてから指を丸くすると、弓が手に引き付けられた状態になる
(5)このとき上腕~肩の筋肉が収縮し、弓は「吊り上げられた」状態になり、この状態で演奏すると指先から肩、肩甲骨までが連動し「腕が一体化」する。
要は、指先から腕、肩、肩甲骨までをどうやって一体化させるかが重要なポイントになる。